第8回 英検準1級語彙問題特講
- logoport
- 2017年3月1日
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さあ、今回はどんな問題でしょう。さっそく見てみましょう。
問題
Jeremy was certainly a skilled chef, but his lack of business ( ) caused his restaurant to fail.
1 inquiry 2 likelihood 3 expertise 4 gravity
特別講義

「ジェレミーは確かに腕のいいシェフだったが、ビジネスの( )が欠けていたため、彼のレストランはうまくいかなかった」という文です。事業としてレストランを成功させるためには、料理の腕前だけでは不十分だったようですね。butの後の部分は、直訳的には「彼のビジネスの( )の欠如が、レストランが失敗する原因となった」という内容です。ジェレミーにはビジネスの何が欠けていたのでしょうか?
選択肢1のinquiryは動詞inquire(~を尋ねる)の名詞形で、「問い合わせ、質問」を意味します。-quireの部分は「探し求める」という意味を持っていて、quest(探求)やquestion(質問)とも語源的につながっています。関連づけて覚えておくといいでしょう。
選択肢2のlikelihoodは〈likely+hood〉という成り立ちの語です。形容詞のlikelyは「ありそうな、起こりそうな」という意味でしたね。-hoodは名詞や形容詞に付いて「性質」や「状態」を表します。したがってlikelihoodは「ありそうな状態」、つまり「可能性、見込み」という意味になります。childhoodという語は知っていますか?〈child+hood〉という構造で、「幼年時代、子供のころ」を意味します。
選択肢3のexpertiseは「専門知識、専門的な技術」で、これが正答です。[エクスパティーズ]と読みます。expertiseは「expert(専門家)の持つknowledge(知識)やskill(技術)」のことをいいます。文系・理系を問わずさまざまな分野に使えるので、次のようないろいろな例で覚えておきましょう。
例:computer expertise(コンピューターの専門知識[技術])/medical expertise(医学の専門知識、医療の専門技術)/legal expertise(法律の専門知識)/management expertise(経営の専門知識)/financial expertise(金融の専門知識)
選択肢4のgravityは「重力」を意味する物理の用語です。the center of gravityは「重力の中心」、つまり「重心」を指します。遠くない将来、一般人でも宇宙旅行が可能になりそうですね。「無重力状態」はzero gravityといいます。zero gravityとはどんなものなのか、あなたは体験してみたいと思いますか? あるいは、scientific expertise(科学の専門知識)を身につけて宇宙開発の一翼を担うというのはいかがでしょうか。
宇宙に思いをはせながら、最後にもう一度、問題文を確認しておきましょう。
Jeremy was certainly a skilled chef, but his lack of business expertise caused his restaurant to fail.
(ジェレミーは確かに腕のいいシェフだったが、ビジネスの専門知識が欠けていたため、彼のレストランはうまくいかなかった。)
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