第13回 英検準1級語彙問題特講
- logoport
- 2017年4月17日
- 読了時間: 3分
何やら楽しそうな写真。今回はどんな問題でしょうか。さっそく見ていきましょう!
問題
He tried to finish the work at a coffee shop, but the ( ) of the other customers kept distracting him.
1 veracity 2 asset 3 intake 4 chatter
特別講義

空欄の前には冠詞のtheがあり、後ろには前置詞のofがあるので、空欄に入るのは名詞ですね。まず、文の一番終わりのほうに出てくるdistractという単語に注目しましょう。皆さん、意味はわかりますか? これは「~をそらす、紛らわす」を意味する動詞で、準1級レベルの語彙です。kept distracting himは「彼(の注意)をそらし続けた」ということで、彼が集中できなかった様子を述べています。問題文は「彼は喫茶店で仕事を片づけようとしたが、ほかの客の( )で気が散ってしかたがなかった」という意味になります。彼の気を散らしたのは何だったのでしょうか?
選択肢1のveracityは「真実性、信ぴょう性;正直さ」を意味します。類語にtruthfulnessやaccuracy、authenticityがありますが、veracityのほうが形式張った語です。また同語源語のverify(~が真実であることを立証する)、verification(証明、立証)は準1級の語彙問題でも出題される重要語です。また皆さんよくご存じのvery(とても、非常に)は元々「真に」という意味の副詞で、同語源語です。
例:The public doubted the veracity of the politician’s statements.
(国民はその政治家の発言の信ぴょう性に疑念を抱いた)
選択肢2のassetは「貴重なもの[人]」の意味です。
例:Samantha’s ability to speak Chinese is her greatest asset.
(サマンサは中国語が話せるところが最大の強みだ)
例:Joe is a real asset to our research team.
(ジョーは我々の研究チームにとって実に貴重な存在だ)
またassetは「財産、資産」も表し、この意味ではふつう複数形assetsで用います。
例:assets and liabilities(資産と負債)/liquid assets(流動資産)
選択肢3のintakeは「(飲食物の)摂取、摂取量」のことです。「in(中に)+take(取る)」という構造から、意味は想像しやすいですね。
例:The doctor advised Sandra to reduce her intake of salt.
(医師はサンドラに塩分の摂取量を減らすように勧めた)
選択肢4のchatterは「おしゃべり」で、これが正答です。chatterは一般に「会話」や「話し合い」を意味する語ではなく、「たわいのないおしゃべり」を指して使います。
例:I got tired of Tom’s endless chatter.
(トムが際限なくぺちゃくちゃしゃべるのでうんざりした)
例:Stop your idle chatter.
(むだ話はやめなさい)
また、chatterは「おしゃべりする」という動詞としてもよく使います。
例:The girls spent the evening chattering about Gabriella’s new boyfriend.
(女の子たちはガブリエラの新しい彼氏のことでおしゃべりをしてその晩を過ごした)
喫茶店のおしゃべりも、あまり周りの迷惑にならないようにしないといけませんね。
では最後に、問題文をもう一度読んで意味を確認しておきましょう。
He tried to finish the work at a coffee shop, but the chatter of the other customers kept distracting him.
(彼は喫茶店で仕事を片づけようとしたが、ほかの客のおしゃべりで気が散ってしかたがなかった)
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